本町のシアトルカフェ
御堂筋を流れていく車に、仕事をする人
昔は苦手だった人混みも意外と気にならなくなった
いつか読んだ小説の中にこんな一説があった
「野球場のスタジアムで何万人に囲まれる中で、この中の一人かと思うといても立ってもいられなくなった」
たしかライトノベルだったように思う
中学1年のころ夜に読んだ
20代前半の頃まで、その小説のセリフは頭の中を強くリフレインしていた
カープの球場3万人の人を見て、 自分のフォロワーが当時5千人ということに危機感を覚えた。
「この人たちの6分の1しかいないのか…」 そう、思っていた。
もっともっと有名になる そう意気込んでいた
正直に言うと、全くそんな欲求を感じない
人と違う自分でいたいと思わなくなった
現在は2025年末時点で10万人ほどフォロワーがいる
…いるが、世の中から抜きん出た自分でいたいとか。
球場で雑踏に埋没しない自分でいたいとか。
思わなくなった。
今は日常や生活があることが、そして生活が流れていくことが心地いい
目の前のスーツを着て、マウスをクリックしている人
昔はサラリーマンを見ると嫌悪していた
こうはなるまい。
スーツなんかは着まい。
まるで根拠のない敵意を燃やして、密かにねめつけていた
でも、そろそろ僕もスーツを買わなくてはいけない
外回りのために
そういえば名刺も印刷した。
メンバーに東大の子がおり、つい先日名刺交換方法を教えてもらった
目の前のサラリーマンさん。
おそらく営業さんだろうか こうした時間の一部に自分もなりたいと感じる
俺だけは主役であろうとか
人生こんなはずじゃないとか
20代前半の頃の反骨心や自我は次第に消えていくのを感じる
きっとこれは28歳になって3大欲求がほどよく落ち着いてきたことと無関係ではないだろう
どれだけ時間があろうとも、暇は暇だから仕事をしていたほうが楽しいし
食事が毎回豪華だと胃もたれする
デートは毎日できたとしても、きっと1人を大切にした方が幸せだ
だから今はどちらかというと、いい表現をして読む人、聞く人、見る人を楽しませたいと思う
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初著書だが楽天では予約時点で売り切れになった。
楽天総合ランキングで日間5位。
目黒蓮くんは抜けなかった。
小説部門は1位だった。 もっと売ろう。

